標準化と適応化
昨年、ハワイへ家族旅行に出かけた際、アメ車をレンタルしましたが、車を運転するための操作器具や機能はほぼ万国共通なので、普段乗っている車ではありませんでしたが問題ありませんでした。
食事はいろいろ試しましたが、ハワイアンなメニューやステーキはおいしかったです。
息子は食べ慣れないものにも積極的に挑戦して、おいしいおいしいと言っていました。
車は内装や外装に特徴があったとしても運転の仕方が国によってばらばらでは皆困ります。
一方で、食事などはマクドナルドのようなほぼ世界共通メニューの店があってもいいですが、普通に楽しみたいのはその土地のメニューです。
よって、世界市場へ車を届けている車会社は仕様を標準化することによって経営の効率化をはかれますが、世界市場で食品を提供している食品企業は顧客志向をリサーチして、地域の味や風習に照らした商品に作り変える必要があります。
但し、標準化しやすい車産業であっても、例えばインド市場には低価格で使い勝手が良い商品でなければ売れないように、単純に標準化ありきではありません。
標準化をはかり効率経営を推し進めるのか、顧客志向を貫くために適応化を強化していくのかは企業戦略になります。
一番良いのは標準化も適応化も両方ができることです。
ちょっと今の自分とは遠い、関係のない話に聞こえたかもしれませんが、私たちの身の回りにだってたくさんこのような事例はあります。
あなたのYシャツは既製品ですか?オーダーメードですか?
おいしいと有名な単価の安い焼き鳥屋さんが好きですか?ちょっと高いけどこだわりのマスターが焼いてくれる焼き鳥屋さんが好きですか?
部屋はニトリの機能的な商品で統一感を持たせる方が好きですか?アンティークなものを並べるほうが好きですか?
何かビジネス成功の法則がありそうな気がしますが、消費者や利用者の価値観が多様であること、企業の性格が多様であることから、なかなか法則を見つけ出すことが出来ません。
したがって、企業には何をどうすれば成功するのかが分からないのです。
私のような古い人間が「昔はこうだった」なんて言ってもかえって現場を混乱させるだけです。
当たり前のことを当たり前のようにさえやっていれば潰れることはなかった時代ではないことをしっかりと自覚しないとリーダーは時に錯覚して大きな判断ミスを犯してしまいます。
時代の流れに付いていくのは今日の暑さに耐えるぐらい大変なことかもしれません。
至誠