効率的な利用
武漢からの帰国者を受け入れた千葉の旅館に称賛の声が上がっていますが私も立派な経営判断だと思います。
インバウンドの拡大によってホテルは軒並み好調のようだけれども全国至る所にある宿泊可能施設は過剰すぎるのではないでしょうか。
東京や大阪をはじめとした大都市はホテルを造っても造っても次から次へと宿泊者が集まるかもしれませんがホテルでない宿泊可能施設も意外と多いものです。
官や大手企業が所有する研修施設は最たるものです。
地方に行っても賑わっている旅館もあればそうでないところもありますし、加えて保養所や研修施設はその日その日で勝った負けたの経営をしていないので優雅なものです。
企業は自社の生産ラインや作業現場でムリ・ムダ・ムラの排除に躍起になっているのに低稼働な施設には何もしません。
社会保障の金がないと叫んでいる官も処分して金を捻出できるものをたくさん持っています。
福利厚生や組合対策で別の論理が働くのは承知していますが社会全体の中で無駄はたくさんあります。
お客がほとんどいない田舎にバスはいらないだろうは暴挙ですし、無人改札駅の前に駐車しているタクシーとて地域の生活を考えれば必要不可欠ですが、そのような場所に立っている保養所や研修施設はどうでしょう。
働く場のない地域に雇用を生み出しているのですから潰せということではなく、もっと大勢の人に利用してもらわないともったいないと思います。
生徒数300人の学校ならば席は当然300以上必要ですが、生徒数100人の学習塾は50席でまわします。
学校だってもっと進化したら生徒は自分のロッカーに教材や文房具や着替えをしまうことにして授業を受ける教室をフリーアドレスにしてしまえば効率が上がりますし、使ってない時間帯は外部に貸し出しができます。
企業もオフィスの有効活用を大胆な発想で転換できるかもしれません。
私はシェアリングエコノミーが言われた初めの頃は経済活動を鈍化させる恐れがあると思っていましたが、新しい社会観が出来上がればそこから新たなモノやコトが生まれます。
共働きと核家族化は住まいの近くでの学童を必要としますし、本当ならば駅の真上に子供の施設があれば一番良いでしょう。
1億円以上の年収を得ている経営者は500名を超えたわけで彼らが1000万円づつ寄付すれば50億円、彼らは有価証券報告書で報告義務がある人たちであって彼ら以上に大金を得ている人たちは彼ら以上の数いますから、皆が1000万円づつ寄付したら小ちゃな社会問題なんてすぐに解決できそうなもんです。
皆で助け合いの精神を持てば立派な福祉国家ができるはずなのに、やれ国がやれ政策がと文句ばかり言うのはどんなもんでしょうか。
赤坂や新地の料亭で何万もする料理を食い、銀座や麻布あたりで何万もするワインを開けてるようなお金持ちの皆さん、お金が誰のものかをちゃんと考えた方が良いと思います。
日本の経営者は欧米に比べて報酬が低いです。
その代わりに会社の経費でやりたい放題できるというのもこれまた事実です。
貧困層のディーセントワークばかりに目が行きますが、自戒を込めて心が貧しい人たちのディーセントワークこそ深めるべきかもしれません。
至誠