殻を破れるか
赤ちゃんウミガメは波の届かない浜辺の砂場で自ら殻を破り本能的に海に向かって歩みます。
ひよこは殻を破ったかと思えば自ら立って歩き始めます。
ある一定のところまでは殻によって守られているものの殻から出てしまえば生き残るために急成長するのみです。
最近は殻すら用意されていないスタートアップの皆さんが勝負に出ていますが、しっかり殻に守られている安定企業にお勤めの皆さんはいつ殻を破るのでしょう。
日本はいま失業率が低く人手不足で外国人の手も借りたいぐらいですし、労働者の1/3は非正規社員という企業にとってはまことに効率的な経営ができているはずなのになぜか経済成長感を味わえません。
戦後の高度経済成長は世界の奇跡でしたし、資源のない日本は省エネルギー技術を磨いていたことから1970年代のオイルショックからいち早く立ち直りました。
それに比べて平成の低成長時代はちょっと長いように思います。
制約の多い困難な時代に直面すれば必ず解決策は生まれるもので、今ならイノベーションと生産性の向上ということでしょう。
AIやロボティクスがそれにあたるのかもしれませんが世界の中で日本がリードしているわけではありません。
危機に直面した会社は社員一丸となってそれを跳ね返す場合もありますが、愚かな経営者によって滅ぶ場合もあります。
世の中の変化が激しいのに全体の成長は少ないということは限られた範囲の中でいろいろなことが起きるということでしょうか。
好奇心と心配が入り混じる状況です。
至誠