経営者と経営学者
コンサルタントが企業経営したところで成功するとは限らないとはよく聞くことです。
事実、私の知り合いのコンサルタントは長く続いた家業を潰しました。
家業に未来はないと見限りコンサルタント業に重きをおいていたのかもしれませんが笑い話にもなりません。
コンサルタントを行う際にはプライベートな話として伏せているようですが。
経営には机上の理論では通用しない現場感があります。
これは感情の動物である人間が多く介在する環境だからでしょう。
一方で経営学者は企業経営で起きる事象を法則性を持って理論づけようとします。
学者ですから情緒ではなく科学的に証明しようとするのは当然の行動です。
実際の経営の場でコンサルタント会社に入って貰えば少しは計量的な視点から意思決定がはかれるかもしれませんが、そんなのは大手企業の特別なプロジェクトのようなケースであって、普通の業務では自らの能力で行うものです。
ここで私が申し上げたいのは、私たちは一時の感情や思い込みに流されることなく、声の大きな人に影響されることなく、もっと客観的に状況分析と最終判断を行うべきではないだろうかということです。
アメリカで成功した経営者の名言をなるほどなるほどと感銘するのもいいですが、学者らが研究した論文や経営戦略本から学ぶことをしたほうが良いのではと思います。
経営者の勘や経営センスはもちろん大事ですが、不確実性が増す世の中だからこそ確率を高める作業が必要です。
至誠