復帰
私が勤める会社を辞めていく人もいれば入ってくる人もいます。
世間の中途採用市場も今までにない状況のようです。
基本は人事部が責任を持って優秀な人材確保に努めていますが、昨日は10数年前に当社を辞めて大手自動車会社でキャリアを積んでいた者が戻ってきたいということで面談しました。
社内の幹部が再帰を口説いていたようです。
こうなると落とすわけにもいきませんが私は反対でした。
旧知の間で派閥を組むのではないか、自動車会社ではこうだったああだったと当社独自の改善やイノベーションにブレーキをかけるのではないか、そもそも年齢がいった幹部人材を焦って採用するほど人材不足の状態ではないと考えたからです。
面接したところ優秀であることに間違いはありませんでした。
社会人として65までか70までかはわかりませんが最後は自分が本当にやりたい仕事をもって社会に貢献したいので帰ってきたいと頭を下げてきたので断る訳にもいきませんでした。
ただ、「当社は十分生活できるだけの処遇は全社員に提供できているが、あなたにいまの会社と同等の処遇を用意できるかはわかりませんよ」と聞くと顔を曇らせ「それは今後相談させてください」という回答でした。
なんだやりがいのある仕事がしたいなんて言ってるくせにやっぱり最後は金かと正直そう思いました。
当社の経営状況は80年前の創業以来安定していますがここ数年は好調で賞与を増しています。
その結果、社員も良い生活ができています。
これにかまけて役員報酬を拡大しようと企む幹部がいます。
まあ役員は会社が儲かった時はもらい、儲からなかった時はもらえないか辞めるかですから理解はできますが私は反対です。
社員の給料をあげられるところまであげてあげることの方が大切です。
彼らのモチベーションにも繋がるし、優秀な人材の確保にも繋がるし、ひいては物価の上昇、デフレの解消、経済成長、日本の競争力強化に繋がります。
今日は人一人見るだけで色々考えさせられた一日でした。
至誠