富国強兵
西南の役は西郷隆盛が最期を遂げた日本で最後の内戦ですが、中心となったのは恵まれない環境に置かれた士族たちです。
そもそも明治維新は革命だったんでしょうか。
徳川幕府の時も天皇はおりましたし、貧しい農民は藩によってはいたかもしれませんが、商品経済ではなかったので格差が今ほど大きかったかどうかはわかりません。
土地の私有化がオープンになったので富める農民も一部にいましたが、経済の浮き沈みに合わせて土地を所有した地主や、政治家と結びついた豪商たちが富み、多くの農民は貧農になったり労働者になったりしました。
富国強兵とは他国に攻めいられないように軍備を揃えるには国が豊かにならねばならないという考えで、西郷などはそれを地でいったんでしょう。
ところが富国を急いだばかりに貧乏人から多くを取り上げて、豊かな人に回し、豊かな人が投資しさらに豊かになっていく構造ではなかったでしょうか。
今は資本主義ですから勝敗がはっきり出るのは仕方ありませんし、成功すれば富めば良いと思いますが、弱者になるとなかなか上がってこれない状況は悲しいことです。
富を再配分をしろと言っているのではなく、チャンスを摘み取るようなことがあってはダメ、優遇されている人が地位を利用して不当に富を得たり富を得るチャンスを獲得するのもダメと言っているのです。
心は美しくいたいものです。
至誠