くそ阿保な会長指示
私とことごとく思想が合わない会長が子飼いの役員をつかって「こんな時だからこそ新規事業を開発せよ!」と号令を出しました。
大した新規開発もしていない会長や子飼いの連中が言ったところで社員には何も響きません。
私ならばこんな時期だからこそ業務改善に取り組みます。
一番地味で面倒くさくてやりがいの無い活動ですが確実に効果が見込めます。
仕事が減って落ち込んでいるけれど「何とかしないといけない」と思っている時が一番のやり時です。
新規開発に関しては、1→10でなく0→1人材を求めるなんてフレーズをよく聞きますが、イノベーションを唱えたシュンペーターはイノベーションはニュー・コンビネーションだと言っています。
分かりやすく言えば、既存の知と既存の知を組み合わせることで全く新しい知が出来上がると言っているのです。
0→1人材というのは全くゼロベースから創り出すということを表現したかったのでしょうが、私としてはゼロの人は大多数がずっとゼロであって仮に1にした人が出たならばノーベル賞級の発明家、研究所で開発に従事している人材ならばそういう人が欲しいでしょうが、企業が一般に言う新規事業開発はそこまでの人材ではないと思っています。
我が社の新規事業開発もそうであって、社会への知的好奇心と知恵と工夫が働く人であれば必ずできることくらいに考えています。
だから「こんな時だからこそ新規事業」なんて言っているのはナンセンスで、新規事業はいつも頭にあって、思いついたときにすぐやることが大切なのです。
今から1年後を見通すのは早いかもしれませんが、おそらく来年度の決算は厳しいものになるでしょう。
社会人1年目の時、シャカリキになって仕事に取り組もうとしていた私に対して時の上司が「そんなに焦ってどうするの。来年は今年よりも少し良ければよい、明日は今日よりも少し良ければいいんだ。少しづつでいいから続けて良くしていくことを考えなさい。」と言われたことを思い出します。
もう30年以上も前になりますが、そのころはまだサステナブルや持続的成長なんて言っている人はいなかったと思いますが、まさにそれを教えてくれました。
こういう不況時は優先順位を間違えてはなりません。
至誠