競争優位
ビジネスパーソンならば誰もが知っている経済学者としてマイケル・ポーターがおります。
彼は数多くの競争戦略を発表していますが、私たちビジネスマンが当たり前のように使っているのが競争優位という言葉も彼からです。
企業は持続的に競争優位を保っておくことが勝ち抜くことと教わりました。
ところが時代が進むにつれて競争の度合いが高まりハイパー・コンペティションの状況です。
このような時代に競争優位を線で維持し続けることは難しく、企業は様々な戦略を実行して競争優位を点を連続的に置き続けることで勝ち抜こうと戦っています。
昨日は、イノベーションは既知と既知を組み合わせることと書きましたが、少し加えると、イノベーションが起き易い組織は多様な知が飛び交っていると思います。
ただ、いろいろなものが多様化するとコミュニケーションをとることが難しくなる可能性があります。
さて、日本では年功型賃金体系が過去の経済成長を支えたともいわれております。
年を追うにつれて賃金が上がるという理屈は年を追うにつれて経験知が能力となって現れるからと言われています。
今も昔も変わりはありませんが人材ひとりひとりが成長すれば組織も活性化し業績が向上するはずです。
従って、従業員の新陳代謝が無い会社(ホワイト企業)のほうが好業績をあげるはずなのですが、どうして新陳代謝の激しい会社(=離職率の高いブラック企業)が好業績をあげるのでしょうか。
理由の一つは賃金の安い若い人材を使い捨てにしているからでしょう。
でも、本当にそれだけでしょうか。
キーエンスという会社は「30代で家が建ち、40代で墓が建つ」とも言われていますが、ブラック企業というよりも優良企業として一目置かれています。
企業の利益率はすこぶる良いですが社員の給料もかなり良いこと、多くが墓が建たないあたりで辞めていくことで有名です。
つまり、年を取る=経験を重ねる=能力が上がる=パフォーマンスが高まる、が必ずしも正しくなくなってきているのではないでしょうか。
ならばこれからの雇用形態は一体どうなるのか、予測するのが難しい状況です。
至誠